風俗店 営業

人間力が営業力

風俗店に営業に行くといつも歓迎されるわけではない。
新規だと責任者まで辿りつけない。
ボーイに門前払いされる。

 

また忙しそうな時間帯は避けるようにしているが、話を始めて1本2本と電話が鳴りだすと現場が殺気立ってくる。
そんなときは“出直します”と口だけ動かして頭を下げて退散するようにしている。
相手にも好印象を持ってもらえる。

 

せっかく言って、話を聞いてくれそうだったのに残念だが、電話が鳴っているのが確認できたのは大きい収穫だ。
儲かっていると考えるのが妥当だろう。
少なくとも広告費は削らないはずだ。
次回もう一度あたる候補になった。

 

対してこれがなじみの店なら、対応はガラッと変わる。
ボーイも慣れたもので、すぐに上につないでくれる。
ありがたい。
なるべくペットボトルやたばこを土産に渡すようにしている。

 

ただなじみの店でもアポを取るときと取らないときがある。
近くに来て急に思い立つこともあるからだ。

 

運悪く責任者が不在でも、間もなく出勤するからと事務所に通してもらえたりする。
そんなときに困るのが、嬢が暇そうにたった一人でいるのに遭遇することだ。
俺をちらと見ても無反応。
いじっていたスマホにすぐ視線を戻す。

 

ここであいさつしてくれるような嬢は気が楽だ。
俺も話しやすいし、時間を置かずに指名が入って出ていってくれる。
こんなとき素人ながら風俗嬢はあいさつができて愛想がよければ人気は出るんじゃなかろうか?、と思う。

 

俺があいさつしてもせいぜい頭をぴょこんと下げるぐらいの反応しかない嬢に限って、無音の時間が長く続く。
本人はまったく気にしていないように見える。
他人を気にしない時点で接客業に向いていないと思う。
案の定、指名が入ることもなく事務所を出ていくこともない。

 

ただただ俺ばかりが気まずい時間が流れていく。

 

経営者はこんな嬢たちも稼げるようにしていかないといけない。
稼ぎ方、仕事に対する考え方を教えてあげるだけで変わる嬢もいるだろう。

 

アルバイトの経験もなかったりするから、初めての社会が風俗業界だという嬢もたくさんいる。
そんな嬢には、一から教えるしかない。

 

あいさつや接客マナーのDVDを講習で見せるのもその一つだろう。
かわいくてスタイルがよければそれだけで人気が出るかも知れないが、そんなの若いうちだけだ。
25歳も過ぎてくるとリピートがなくなる。
俺だったら絶対にリピートしない。

 

逆に接客スキルが高ければ嬢としての寿命が長い。
人としての魅力だ。
これは俺たち広告マンにも言えることなんだろうな、きっと。