風俗求人 トラブル

トラブル発生

ある日、なじみの求人サイトから連絡があった。
掲載店の担当者とトラブったらしい。
通常、店とのやりとりは代理店の営業マンが行なう。

 

俺たちのほうが一癖も二癖もある風俗店の担当者の扱いは格段にうまい。
トラブルにも慣れている。

 

なのにサイト側は俺を飛び越して直接連絡したらしい。
そしてトラブルになったそうだ。
サイトの窓口であるその女は電話口で途方に暮れていた。

 

相手は某店の求人担当者Aらしい。
確かにうちのクライアントだ。
Aは、初めて会った頃は俺も手を焼いたっけな。

 

サイトめ、何をやってくれてるんだか・・・
「わかりました。話を聞いてきます。」
俺はそう言って、店に向かった。

 

「あれ、村さんどうしたの?」
Aは俺のことを”村さん”と呼ぶ。
「○○○○(サイト名)から連絡があって来ました」
「あいつ、村さんに泣きついたの?」

 

幸いAサイトとのことなど大して気にも留めていないようだ。
「村さんからよく言っといて!」

 

サイト側は、菓子折りを持って店に謝りに行くと申し出たが、話がこじれるからとやめさせた。
後日、窓口の女はうちの会社に菓子折りを持ってきた。

 

とくに大きな問題にならずに解決した。
風俗店には隙を見せると難癖をつけてくる輩もいる。
土下座ですむならマシなほうだ。
殴られたこともある。

 

若干ガラは悪いが営業マンの仕事なんてどこの業界でも似たようなものだろう。
俺はこの仕事を気に入っている。
風俗店は面白いやつが多い。
店のスタッフも風俗嬢も。
若いのに驚くような人生を送っていたりする。
そんなやつらと話すのが俺は好きだ。

 

社の始業は10時からだが、俺たち営業マンは13時出勤だ。
風俗店は夕方ごろから本格的に動き出す。
それに合わせて俺たちは店を回る。

 

忙しそうにしている店は担当者の顔を見つけて会釈するだけだ。
そのほうが俺もありがたい。
辛いのは暇な店だ。
担当者も時間があるから、たっぷりと愚痴を聞かされる。
客から電話が鳴れば、これ幸いと逃げ帰る。

 

1時間近く鳴らないとこれがかなりの拷問だ。
相手はどんどん不機嫌になっていく。
お前が鳴るっているから掲載してるのに・・・
そんな視線が俺に突き刺さる。

 

風俗嬢の待機室と一緒になっている事務所なんかは風俗嬢まで俺を恨めしそうに睨んでくる。
”頼むから写メ日記でも更新してくれ!”
そう言いたいのをグッと我慢しながら、最近の業界の情報なんかを話す。
恐らく相手の耳には入ってないんだろうな、と思いながら・・・。

 

店の担当に深夜2時に呼び出されることもある。
帰宅が翌朝なんてもことも珍しくはない。
それでも徹夜が続くと身体に堪えるようになってきた。
俺も年をとってきたか・・・。